スタートライン

ついに打ち明けた。

 

「あのさぁ、ここ4年くらいずっと頭の片隅にあったんだけど」

 

「前向きに、子供について、考えようかなと思うんだけど。」

 

ダイエット飯のキャベツ鍋にうどんを投入しようとしてるところだった。

 

「あぁ〜、子供...ほしい?ほしいよね...」

 

予想通りの回答だ。

この人は根本的に子供が好きじゃない。

 

私も元々はそうだった、子供なんてうるさいし言うこと聞かないしお金もかかる。

お金を全て自分達に使うことができる贅沢な生活をしていて、お互い自由気ままに、干渉せず、喧嘩もせず仲良くやっている。何一つ不自由がない。幸せだ。

私がどれだけアイドル現場に行こうが遠征しようが何も文句言わない、家事もたくさんやってくれる優しすぎる夫だ。

 

周りにどんどん子供ができていても全く焦ったりしなかった。仕事柄子供と接する機会は少なくないが少し慣れたくらいで、子供大好き💕なんて全然思わない。

むしろこんなに子供にマイナスイメージを持っている自分が子供を育てるなんてできるわけないと思っていた。

 

しかし職場の飲み会の場で同僚に言われた一言

 

「間違っていたらごめんだけどさ、

 

君ってめちゃめちゃ子供好きだよね?」

 

普段あまり会話をしない人に言われたもんだから拍子抜けした。そんなわけなかろう。

しかし仕事上といえどそのように写ってくれていてよかった。

うるさい子供はうるさいし言うこと聞かない子供はむかつく。

 

「いやそれ普通でしょ。

他所んちのうるせえガキなんてうるせえよ。」

 

再度拍子抜けした。

え、それでいいの?

わたしみたいな大人が子供作っていいの?

本当に虐待しない?私、ネグレクトとかしない?

いやわかんない、考えれば考えるほどわからなかった。

 

でも、

この人との子供なら欲しいと思えるようになった自分の気持ちを大切にしたくて。

4年悩んだ。

 

 

意を決してついに打ち明けてみた。

 

「生活リズムがもうめちゃめちゃひっくり返るじゃん?」

 

「やっぱりちょっとこわいよね」

 

「うん、めちゃめちゃ怖い。

猫1匹でも結構わたわたしてるのに」

 

「そうだね...」

 

「子供を最優先にできるかわからない」

 

「そっか...」

 

.......。

 

「まぁ、ちょっと考えてみて?」

 

「うん...他の人の話も聞いてみる。」

 

うどんを啜りながら涙が出た。必死に平静を装って涙垂れ流しにしていたが最初は良かったが鼻水が出始めたのでティッシュに手を伸ばして鼻水だけ拭いた。夫は花粉症のせいだと思っているようだ。泣いていたことは隠し通せたようだ。

 

夜の夫婦生活が無くなったのは結婚してすぐだった。

それも悩みの種だったし生理前には情緒が不安定なせいもあり毎晩泣いていた、今も。

自分に女としての魅力がなくなったのかと不安になりダイエットをしたがどうやらそう言うことではなさそうだった。

 

 

彼にとって私は【家族】になったのだった。

 

そういう目では見れないのだろう。

そういう意味では私の【女】としての生活は26歳で終了した。

 

それなら。せめて子供だけでも作ってはくれないか、もう義務感でもなんでもいい。体外受精でもなんでも。

 

彼の子供が欲しいのだ。

あなたがいなくなったら、私はひとりぼっちになる。

幸せなことに、信頼できる友達はちゃんといるし、みんなと遊んで暮らすのもとても素敵だし。理想的だ。

 

それでも、あなたの子供が欲しい。

あなたに似ている女の子や男の子、

あなたが父親になってどんな顔を向けるのか、

子供があなたにどんな顔をのぞかせるのか、

みてみたいんだよな。

 

 

スタートラインに立てているかもわからないけど、

いつかかけがえのない思い出になっていることを期待して、ブログに残そうと思う。